Category : 性に狂った女と女に狂わされた男

愛人のいる女をめとった男の話

恋愛は複雑ですが、愛のややこしさは今に始まったことではありません。江戸時代の男女も複雑な相関のはざまで苦しむこともあったのです。許されない相手と性的関係を持つ女性、愛人がいるのに他の男と結婚せざるを得なくなった女性。そんなややこしい愛の物語が、江戸時代にもありました。

恋愛結婚がほとんどない時代の結婚とは?

わが国で恋愛結婚が一般的になってきたのは、1960年代以降のことです。それまでは「見合い」によるものが普通で、江戸時代においてはほとんどが紹介やお見合いでの結婚です。ただし、恋愛がなかったわけではありません。人類の歴史の中で恋愛のない時代などありませんので、若い男女がいれば当然そこには愛も恋もありました。愛とセックスは一体のものですので、男性が女性を見染めれば口説き、愛を語って肉体関係を持つのは当然のこと。ただ、それが結婚とは別物だったのです。

当時の女性たちは貞操観念はあまり強くはありませんでした。「処女を大切に」というような考えも持っていませんので、好きな男性ができればセックスするのは当たり前。ただ、性行為に適した場所はありませんので、もっぱら神社の林の陰や山の中など、いわゆる「アオカン」が一般的です。また、一人の人に操を捧げるというような感覚にも乏しく、色んな男性と性的関係を結ぶことも珍しくはありません。銭湯はすべて混浴でしたので、見知らぬ男女がお風呂で関係を持ってしまうということもしばしばあったようです。

恋愛は一種の「遊び」であり、結婚は「現実」と向き合うこと。「生きること」が最優先されたため、結婚はお金や財産を中心に考えられるものでした。そのため、親や仲人などが紹介、あっせんしてくれた相手と結ばれるというのが一般的。強い愛で結ばれた相手がいる女性の場合、結婚後に苦しむことも少なくなかったでしょう。

義兄と結ばれていた女の結婚

七五郎という男性は瓦師の娘と結婚し養子に入りましたが、はやくに妻を亡くしてやもめになりました。妻の妹おもちはとても器量の良い娘で七五郎とは同居していましたが、姉の死後、七五郎といい仲になってしまいます。しかし、義兄と義妹が性的関係を持っていることは世間体が悪いため、ふたりだけの秘密。あくまでも、仲の良いきょうだいとして暮らしていました。

そんなところに、地主が見合い話を持ってきます。おもちの隣でタバコ屋を始めた与市という男性でした。地主からの話とあっては、おもちは断ることはできません。仕方なく結婚しましたが、七五郎のことが忘れられません。都合の良いことに七五郎とはお隣同士。結局、毎日のように七五郎の元に通い抱かれてしまったのです。結局、この不倫関係は与市の知るところとなり、与市は七五郎に熱湯を浴びせ殺してしまいました。 江戸時代の恋愛は今よりも複雑なものでした。恋愛と結婚とが別ものであったために、心と体で結ばれた男女が事件を起こすこともしばしばあったようです。

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