Category : 江戸時代にもいた淫乱な女たち

江戸時代にもあった「危険な情事」

口説かれた女性が男性にまとわりつくという話は、ときどきあります。男の側にしてみれば一度セックスしたかっただけに過ぎないのに、いつまでも離れてくれない女性はやっかいです。現代によくあるストーカー的な女性は、実は江戸時代にもいたようです。いつの時代にも、性的な結びつきができてしまうと、男と女の関係は複雑になるようです。最後は悲しい物語になることが多いものですけれども。

一度だけの関係を求めて尼さんを口説いた男の話

大名や旗本の屋敷には塀の内側に家来の家が軒を連ねる構造になっていました。家臣たちの外壁はそのまま屋敷の塀となっており、窓を覗けば外を歩いている人の姿を見ることができます。ある日、筧伝五郎という旗本の屋敷に住む家来の一人は、通りを歩く尼さんに一目ぼれをしてしまいました。尼さんは武家の屋敷の窓に人の姿が見えると、物乞いをします。そんな姿を見ているうちに、家来はその尼さんを抱きたくなってしまったのです。

しかし、尼さんは男を絶った身。夫をなくして出家し「二夫にまみえず」と誓っています。他の男性に抱かれるなどということは普通はありません。簡単に落とせる相手ではないと分かっていますので、策を練りました。「茶飯をごちそうするので、先祖の命日の供養をしてくれ」と窓から声をかけたのです。こうして「回向」を口実に、尼を招きいれ口説いたのでした。

抱かれた尼が女に戻り、ストーカーに!?

屋敷に入れた後、家来はひたすら口説きます。一度でいいからその体を抱かせてほしいとストレートに頼みました。すると、尼さんの方も、久しぶりに殿方に言い寄られてその気になりました。体を開き、熱い抱擁をして帰ったのです。それで終われば良かったのですが、それ以降、尼さんは毎日のように屋敷を訪れます。勝手に座敷に上がりこんで一向に帰りません。抱かれたくて仕方がなくなってしまったのです。

結局、家来はその尼さんと縁を切るために、自分自身が出家してしまいます。尼さんを口説いてモノにし、居つかれてしまったという噂が広まれば、切腹しなければならなくなる可能性もあります。腹を切るくらいなら坊主になった方がマシと考えたのでしょう。ちょっとした遊びのつもりのセックスが、ストーキングされ職を失うという重大な結果を招いてしまったのです。現代とよく似たことが数百年前にもありました。

男女の間のいざこざは、今も昔も変わらないところがあります。ストーカーによる問題も、決して新しいものではありません。江戸の時代にも「危険な情事」があり、男は女に迫られ泣かされることがあったようです。人はなかなか歴史からは学べないということなのかもしれません。

Recommend